ある官僚の話から

今年度から税源移譲がなされて、住民税は一律10%になったのは
皆さんご存知の通りだと思います。
一方、所得税のほうは5〜40%になっていて、
住民税と所得税を合わせた税率は最低で15%、
最高で50%になっています。
これに対して、株式投資で得た利益にはその10%が
税金となります。FX(外国為替証拠金取引)で主婦が脱税となった
ケースがありましたが、金融商品での利益にも課税されるのです。
先日、ある官僚の話を聞く機会があったのですが、
彼はこの税率を上げるべきと言っていました。
働いて得たお金にかかる税金より、株式投資で得た税金のほうが
安いのでは「バカらしくて働いてられない」と思うからです。
「そんなんだったら、デイトレやってたほうがいいや」となります。
でも、これには証券業界は反対しています。
ただでさえ、サブプライムローンの余波で冷や水をかけられているのに
税率を上げられたら、株式投資をする人が少なくなるというのです。
政府もそういう考えですから、たぶん税率は上がらないでしょう。
株式市場の振興をするのはいいと思うのですが、
所得税との絡みも考えると、彼が言うように税率を上げるほうが
いいように思います。みんな官僚を批判しますが、彼のように
国の将来を憂い、本気で仕事をしている人もいるのです。
成熟経済では給料は上がらないので、「お金に働いてもらう」というのが
流行なのですが、少なくとも働く人の意欲がそがれないような政策を
政府には考えてもらいたいと思います。