いらっしゃいませ、高校生ご一行様

もう毎年の恒例行事となりました。
高校生のOB訪問。
私が勤める編集プロダクションで社長の母校の後輩たちが
修学旅行のかたわら、訪ねてきてくれました。
えらいですね。修学旅行で将来について考えようなんて。
私らのころはそんな雰囲気はぜんぜんなかった。
私が東京に修学旅行で来たときは、東京タワーやディズニーランドに
行って、「すんごい都会だね」って言って帰っただけ。
それはさておき、彼らはどうしても出版業界をみたくてきたわけでは
なさそうだから、最初から興味を持ってない。
そういう子たちに何を言ったらいいのか。
毎度途方にくれるのです。
聞けば、6人来たうち年間読書数が10冊未満の子が5人。
最も多く読んでいる子で30冊ぐらいでした。
勉強が忙しいのはわかる。でも、私でももうちょっと読んでた。
彼らの心に響く商品がつくれていない私たちに責任がある。
あと、やりたい仕事とかをイメージできている子もひとりだけでした。
銀行員になりたいのだそうです。
あとは模索中とのこと。
もっと荒唐無稽でもいいから何かイメージしているかと思って
びっくりしました。
私は17歳の冬に「ライターになりたいな」と思い始めました。
それは志望大学を書けと先生に言われたからでした。
外圧でしたけども(笑)、そこでおぼろげながらでも将来をイメージできた
のはとてもよかったと今では思います。
あるベンチャー企業の社長さんは、インターンでやってきた大学生に
「何でもいいからなりたい職業を書け」と言って書かせるのだそうです。
白紙でずっといると、白紙の人間になってしまうからです。
「目標をもってこそ、いま勉強している歴史や経済学が
具体的なものになって自分の目の前に現れるから」といいます。
いま勉強が身につかないと思っている人は、将来を描いた上で
「どうやったらこの勉強が描いた将来と結び付けられるか」
を考えるといいと思います。
勉強と将来をリンクさせるんです。
そうすることで、勉強が無味乾燥なものではなく、
生き生きとした、潤いのあるものになるはずです。
こういうことを言ってくれる人がいたら、私ももうちょっと
勉強ができるようになったかもしれない。
あの高校生たちにも言えばよかったなあ
といま思っても遅いですが(笑)