ダストボックスの是非

地球温暖化も重要な問題ですが、喫緊なのはゴミ問題だと思います。
水質も大気も相当改善されてきましたが、残っているのが
ゴミ問題なのです。
モラルハザードが甚だしい昨今、私の住む府中市では
「ダストボックス廃止の賛否」で揺れております。
というのも、全国で唯一残っていたダストボックス(鉄製のゴミ収集箱)
を廃止するということに、どうやらなりそうだからです。
問題になったのは、収集日でなくても出せるダストボックスの
便利さのため、周辺の市から「越境投棄」されるために
市が3億円も余計に財政負担を強いられているからというのです。
いまはゴミが有料のゴミ袋に入れないと捨てられなかったりするので、
高速道路のサービスエリアに捨てられるということが問題になるほど
モラルハザードになっています。
「自分さえよければいい」という人が多いからです。
また、多摩地域ではゴミ減量に取り組んでいるが、いつでも捨てられる
ダストボックスが存続していると、府中市民のごみ減量に対する意識が
高まらないためという理由もある。
そのほかにも周辺の市と足並みをそろえる意味もあるのでしょう。
なぜゴミが問題となるのか。
その根本原因から考えてみます。
まず可燃ゴミ不燃ゴミがあります。
可燃ゴミは燃やせるのですから、
燃やしてしまえばカサはぐっと減ります。
しかし、不燃ゴミは燃やせませんから埋め立てることになります。
この不燃ゴミを埋める場所がなくて困っているのです。
で、なんとかゴミを減らせないかと考えて、編み出されたのが
ゴミ袋の有料化です。
有料化すればゴミを減らそうとするだろうと考えられたわけです。
しかし、どんな方法も完璧というのはなかなかありません。
収入によってゴミ処分にかけるお金の比率が変わってくるので、
お金をたくさん持っている人ほど安易に捨てる可能性がありますし、
少ない人ほど経済負担が大きくなるという側面があります。
乳幼児や高齢者が使用する紙オムツを廃棄するのに
多くの費用がかかるため、オムツに関してはゴミ袋をかえて無料に
するといった苦肉の策で対応している市町村もあるようです。
ダストボックスについては、大きく分けて
1.ゴミ減量の問題
2.美観・衛生上の問題
があると思います。
ダストボックスだといつでも捨てられる(本来は収集日の朝しか
出してはいけないのですが・・・)ために、安易にゴミが
捨てられるということになっています。
ダストボックスが廃止されると、カラスや野良猫が中身を出して
しまい、街の美観が損なわれる。
また、動物に荒らされた場合、家庭での医療行為が普通になって
きていますが、血液がついた脱脂綿や生理用品、避妊具などが
散乱する可能性があります。
ダストボックスがあることじたい、街の美観が損なわれている
という意見もあり、難しいところだと思います。
私は「ダストボックス廃止もやむなし」と思っています。
この2つの問題を同時に解決することは難しいと思いますが、
個人が今日からできることがあります。


1.レジ袋を持参する
2.生ゴミは水分を切って捨てる
(可燃物は、ゴミの重さで処理業者にお金を払い、引き取って
もらう。家庭で出される可燃物の類はほとんどが生ゴミである
ため、可燃物を焼却するのにかかるお金の多くは水分を燃やす
ために使われている。だから、各家庭の台所の三角コーナーで
水分をギュッとひと絞りするだけで、東京都だけでも数億円の
節約になるという)
3.不要な食品は買わない
生ゴミの約40%は賞味期限切れ前の食品というデータがある)
4.トレーなどに入った過剰包装の食品より、量り売りの食品を
購入する。
(スーパーでも肉は量り売りをしているところがある。トレー
入りの肉と品質は同じだが、やってみるとけっこうたのしい)
5.できるだけ可燃のもの、あるいは再生可能な素材を
 使っている商品を購入する。
6.ペットボトル入りの飲み物は極力買わない。


などが考えられると思います。
ゴミ袋の有料化もやむなしと思います。
もちろん、本当は無料がいいのですが。
さびしいですが、やはり人間はお金が絡んでこないと生活を
見直そうという気にならないのが現実だと思います。
ただ、その場合、さっきも書いたように収入の少ない人ほど
家計に占めるゴミ処理代の割合が大きくなります。
そうならないために、ゴミ代は無料にして、その処理代の元に
なる税金は所得に応じて市民税として納めているのですから
理不尽な話ではあります。
可能ならば、「市全体でゴミ処理費が1割削減できたら、
市民税を1%でも2%でも少なくします」というような
ことができたらいいと思います。
とにかく、そうした市民意識みたいなものが必要と思います。
ゴミの問題は切実です。
今後も自分の問題として考えていきたいと思います。