環境問題に必要な多角的視点

森林インストラクターの勉強をしていると、
環境問題にもいやおうなく意識が高まります。
試験にも環境問題についての設問が出ますからね。
環境問題を論じている人の本や、「環境問題」を批判的に見ている人の本
などを読んでいて、感じるのは、


地球に優しい
もったいない
節約
ゴミの問題


これらのことがごっちゃになっているなということです。
地球に優しいというのは、主にエネルギーの面から見ています。
もったいないというのは、主に物の面から見ています。
節約というのは、主にお金の面から見ています。
ゴミの問題というのは、主にゴミの面から見ています。
ひとつの行動をしようというとき、
これらについて相反することが出てきます。
たとえば、最近流行っている「エコ替え」です。
冷蔵庫を新しいものにしましょう、
電灯を白熱球から蛍光灯にしましょう、
燃費のいい車に乗りましょう、というのがそれです。
たとえば、「冷蔵庫を買い換える」について次のように評価できます。


エネルギー ○
物     ×
お金    ○
ゴミ    ×


エネルギーの面では、電力が抑えられるので、プラスです。
物の面では、使えるのに替えているので、マイナスです。
お金の面では、節約になるので、プラスです。
ゴミの面では、ゴミが増えるので、マイナスです。


このように、一つの行動をするときどこかで必ずマイナス面が発生します。
すべてにおいてプラスという行動はなかなかありません。
エコバッグにしても、ビニール袋を使わなくなると、ビニール袋の
生産、流通、販売に関わっている人の生活に影響します。
社会において、「地球のためにこういう行動を心がけましょう」というとき、
よく考えてから行動しないと、マイナス面のほうが大きくなる危険性が
あるということです。
環境活動のプラス面とマイナス面を過不足なく検証し、
適正な評価をすることは並大抵のことではありません。
ただ、いろいろ考えてやってみないのもひとつの手ですが、
ひとまずやってみて、どんな影響が出るのかを検証してみるのも
ひとつの手かもしれません。
ともかく、一つひとつの「エコ」をちゃんと整理して
考えなくてはいけませんね。