人材派遣というお仕事

いまコムスン問題が騒がしいですね。
親会社はグッドウィルグループといって、人材派遣の事業をしている。
コムスンのほうだけじゃなくて、そっちの人材派遣のほうも
問題が取りざたされ、連日テレビで報道されている。
噂の真相が浮き彫りになってきたようだ。
私の周囲にもこうした人材派遣業者で勤めていた人から
そんな話が聞こえてくる。どうやらグッドウィルだけではないようなのだ。
一日工事現場で働いて6500円。交通費は自腹だという。
でも現場監督に聞いたら、交通費は人材派遣の会社には払っているという。
「おれたちは交通費払ってるんだ。おまえら、会社を訴えたほうがいいよ」
と言われたという。
一方で、ネットカフェ難民という言葉も出てきた。
24時間のネットカフェに寝泊りする新しい形のホームレスだ。
彼らも人材派遣の会社に登録し、日払いの仕事に行く。
ある番組では、現場に行ってはみたものの、「使えそうにない」という
理由だけでその日の仕事を断られていた。
売り手市場に湧く労働市場とは裏腹に、使い捨ての労働者も増えている。
昔、バブルのツケである不良債権問題をどうするかというので、
「正社員を減らす方法」「コストカットをいかにするか」という
本が山のように出た。
正社員を減らすことで利益を上げてきた企業も多い。
そこで足りない労働力を補ってきたのは非正規社員だったわけだ。
バブルで踊った後始末を「首切り」でしのいだわけだ。
こうして格差が生まれた。非正規社員は貧乏になり、正規社員は高給に
なったが、過剰な仕事量でうつ病、過労死、自殺する30代が増えた。
企業はリストラで出した利益を株主に配当で還元、
それを横目で見ていた労働者たちもネット株に投資するようになった。
こういう現状を踏まえて、今夏の参院選有権者はどういう判断を下すか。
たいへんな世の中になってきているのは間違いないようです。