自死する国民

ある元大臣の事務所で本の打合せをしていたところ、
現職大臣の自殺のニュースが飛び込んできた。
で、元大臣が言った言葉、
「もうああなったら死ぬしかないだろうねえ・・・」
死んでもしかたないというような言葉の印象に愕然とした。
別のある政治家は「彼も侍だったんだなあ」なんて。
政治の世界では、「死んで責任をとる」というのが
当たり前なのかもしれませんね。
政治家で歴史上の人物の本を読む人は多いようです。
自決する話もいっぱい出てくる。
そういうのを読んで、かっこいいなと思ってもらっては困る。
何か問題が起こると、職を辞するか、死ぬまで、よってたかって追及する。
死者にムチ打たないのが日本だから、死んだら許される。
問題もそのままになり、うやむやになって闇に葬られる。
自殺者が3万人もいて、政府はこれを減らそうと対策をとっているのに
自殺した人に対して「死んではいけない」とは決して言わない。
「死んだ人はかわいそう」「首相がいけない」と問題をすりかえる。
これでは自殺する人は減らないだろう。
自殺することがなんだか最後の自己表現であるかのように人々が受け取り、
問題のすり替えを行っている限り、企業で不祥事を起こした人も
政府の役人も自殺し続けるだろう。
「死ぬほどの問題か?」
そういう問いは忘れてはいけないと思う。