もう一度大山登山

「土曜日は何してる?」
友人からのメール。
この友人、どうも恋人とうまくいってないらしく、ヒマを持て余して
いるのか、何かしたい、どこかに行きたいというのです。
ちょうどよかった、というわけではないんですが、それならかねてから
ぼくが行きたかった山にでも登ろうということになりました。
場所は神奈川県西部にある大山であります。
岡山県鳥取県の県境にあるのは「だいせん」ですが、
こっちは「おおやま」なのであります。
標高1251.7mであります。
彼には「大山」の名前は出しませんでした。
そんな厳しい山はヤダってことになるからです。
以前、大学時代の友人と登ったことがありました。
真夏だったので海に行こうと思ったのですが、当日雲っていたため、
急遽、山に進路変更。そのときのぼったのが大山なのであります。
海水パンツ(人呼んで海パン)をすでにはいていたので、
海パンで登山したわけです。
周りはみんなちゃんとした装備で登山しています。
当たり前です。
ケーブルカーを使わなければ山頂まで3時間もかかるのですから。
完全に山をなめてました。
それから8年ほど時が過ぎ、十分に大人になったので、今回は
雨具や非常食、水を多めに持ち、時間にも多少の余裕を持っていった。
午前10時20分、麓についたとき雨があがったばかりで
靄(もや)がたちこめる。時間が経つにつれて霧になってきた。
中腹の神社があるところまで1時間ちょっと、そこから頂上まで
1時間半ぐらいかかるらしい。
中腹まで男坂と女坂がある。
女坂を登っては男がすたるとばかり、男坂を選択。
これがきつかった。傾斜がハンパではない。
青息吐息で中腹に到着。ここには名水が湧き出ているんですよね。
そして、しっかり休んで頂上へGO!
ここからは傾斜はそれほどでもないが、足場があまりよくない。
雨のせいでぬかるんでいる。ドロドロになりながら頂上を目指す。
人は歩くと内省的な気持ちになる。
「頂上には何があるのだ。景色か? おいしい水か?
それとも新しい自分か?」
そんなことをお互い言い合いながら歩を進める。
3時間弱でようやっと登頂に成功した。
暑い暑いって登ってきたのに、山頂は寒い寒い。
10分ぐらいでそそくさと下山することになった。
結局、全行程でやはり5時間ぐらいかかった。
麓の茶屋では大山豆腐に舌鼓を打った。
これがまた「んーまい!」のである。豆腐がなんか濃いんです。
腹が減ってたのを差し引いても、普通のよりぜんぜんうまいはずです。
私の場合、登山のたのしみはこういううまい食べ物もそうなんですが、
森林浴と運動不足解消なのであります。
エクササイズなんであります。
ストレス解消には最適ですよ。
恋の病にも効くかどうかわかりませんが、
自然の中で体を使うことで頭でっかちになっていた彼の恋愛脳も
少しはほぐせたんじゃないでしょうか。
子どもが10歳ぐらいになったらまた一緒に登ってみたいな。