風物詩としての桜

時代が変わって、「若い人はこうなんだな」と思うことは多い。
けれど、容易に変わるはずがないと思っていたことが、
変わっていると少なからずびっくりする。
新聞の読者投稿のページに、高校生の制服姿の男女が卒業証書の筒を
手にしたイラストが載せられてあった。
その背景になんと桜の木と桜の花びらが舞っていたのです。
ちょっと待ってください。
桜は入学式のときのものというのが、ぼくのイメージでした。
近年、ちょっとずつ桜の開花が早くなっているから、もう桜は4月の花
ではなくて、3月の花なんですね。
このイラストを描いた人がどこに住んでいるかわからないけれど、
もはや出会いを想起させるイメージは桜にないということなのだ。
桜は卒業式のイメージになったということなのか。
桜の散るころに、別れがあるというのは、なんかさびしい気がするなあ。