Uボート ディレクターズカット

この映画を評すなら、
長い!
の一語につきます。(以下、ネタバレがあるのでご注意を)
日本公開版は120分程度らしいが、このバージョンは
208分です。約3時間半です。
そのうち、3時間8分ぐらいは海と潜水艦の中の話なんです。
表題のUボートというのは、第二次大戦中に活躍したドイツの
潜水艦団のことです。
大西洋で輸送船などを破壊することが目的とされていた。
この映画の中でもタンカーを魚雷3発で撃沈する。
けれども、いわゆるカッコいいシーンはこれだけで、
あとは潜水艦が水圧で壊れはしないかとビクビクしたり、
駆逐艦から逃げまわったり、カビを取り除いたりする日常が映し出される。
もうね、画面から男臭さが匂ってくるようですよ。
かなり閉塞感があるので、狭いところが苦手な人は観ているうちに
ストレスがたまってくるかもしれません。
観ているほうがこれだから、乗ってるほうはもっと大変。
精神的におかしくなる人も出てきます。無理もないです。
若い従軍記者と艦長のやりとりがなかなかよかった。
ふたりを対比させて描くことで、戦争のやりきれなさが
とてもよく伝わってくる。
ラストシーンはものすごく切ない。
やりきれなさの局地です。
あんなに必死でがんばってきたのに……。
3時間半、潜水艦に乗り込んだつもりで観たら、
このやりきれなさのほんのかすかな一部分が理解できるでしょう。