努力を人に見えるようにする

今日は、ある会社社長の取材をしていて、考えたことを
書いてみようと思います。
その社長は、「努力は人の見えるようにすること」というのです。
「誰でも見えないところで努力して、パッと結果を出したい。
それが一番かっこいい。けれど、そんなに簡単に結果が出せる
わけはない。だったら、地道に努力しているところを
見せることですよ」というのである。
たとえば、早朝出社して、資格試験の勉強をすることなどだ。
20代で結果を出そうと焦らないこと、
地道でいい、ちょっとずつ周囲に認められるようにすること、
というのです。
ある程度、上昇志向のある人は、すぐに結果を求めて、
「がんばっているのに認められない。会社が悪い」という。
枠からはみ出し、とっぴなことをやって周囲を驚かせてやろうとする。
「実力のない」中田英寿のような人がもっともまずいです。
なぜそういうことになるのか。
20代、30代、もしかしたら40代前半ぐらいの人も
そうかもしれないが、個性が大事と言われて育っているから、
「個性を発揮して、人が思いつかないことをやって成果をあげる」
ことが、成功であると信じられているようなふしがある。
テレビや雑誌を読んでもそのような話が踊る。
ほとんどの人は、オリジナリティを発揮する芸術家やスポーツ選手や
作家といった人たちとは違うのだから、できることを地道にやればいい。
私たちの世代は65歳まで仕事をすることになるはずです。
だから20代、30代のうちは、そんなに焦らなくていいのでしょう。
何か諭されたようで、心地よい時間を過ごしました。