やはり結婚式は緊張する。
28日は大学時代の野球部の結婚式であった。
式の途中、サプライズでスピーチをお願いされた。
前日、新郎新婦と会食したとき、中華料理を奢ってもらったのだが、
そのとき代金を支払おうとしたら、
「いいよ、いいよ、明日、がんばってもらうから」
と新郎が笑っていうので、
「いやいや、おれは明日なんにもやんないよ」と
拒絶しておいたのだが、「もしや」とは思っていた。
サプライズスピーチの前払いだったのだ。
それが安くついたか高くついたかは、当人の判断に任せよう。
スピーチは、司会者からのインタビューという形で行われた。
司会「先月、ご結婚されたということですが?」
私「そうなんです。今日もふたりの幸せな様子を見ていると、
自分の結婚式をしたのが、つい先月のことのように思われました」
(一同失笑)
私「笑うところです。遠慮せずに笑っていただいて……」
(一同失笑)
司会「(笑)。ところで、新婚生活にあたって少しだけ先輩として、
何かアドバイスがあったらお願いします」
私「自分も結婚したばかりなので、アドバイスではないのですが、
周りの『結婚のベテラン』の人たちから言われたのは、
とにかく会話をたくさんするようにということでした。
これはニーチェの言葉なんですが……
(一同騒然となる)
私「はい、みなさん、聞くところです。
ニーチェの言葉で、『結婚とは長い会話である』というのがあります。
私もその言葉どおり、会話をたくさんしようと心がけているところ
ですので、おふたりも会話をする時間をたくさんつくって、楽しい
夫婦生活を送ってほしいと思います」
(一同拍手)
というような具合であった。
あまりおちゃらけてばかりもいられないので、
最後はちゃんと締めようと思っていたが、
うまくいったかどうかは知らない。
最後に退場するとき、新婦の母親から
「すばらしい言葉をありがとうございます」と言っていただいた
ので、ほっと胸をなでおろした。
ただ、以前、スピーチを頼まれて、緊張のあまり具合が悪くなった
ことがあったので、サプライズのほうが気楽でいいなと思った。
今後、スピーチをする方はこのネタを使ってもいいですよ(笑)