実感なき好景気

タイトルのような見出しで書かれた新聞記事に、
大手企業の社員の話が載っていた。
「子どもの塾の費用が月々5万円かかる。これで生活していくのはムリ」
「車も買い替えられない」
このような話が、「実感なき景気回復」の、象徴的な例として
取り上げられている。
記事が言いたいのは、「もうかっているのは企業と株主だけで、
従業員には還元されない。だから、実感がないのだ」ということ。
庶民は苦しんでいるというのだ。
だが、ちょっと待っていただきたい(社説風)。
本当にそうか?
子どもを月5万円の塾に通わせられるのに、どこが不満なのだろうか。
車が買えないと言っているのではない。買い換えられないと言っている。
すでに車を持っているのに、どこが不満なのだろうか。
ちょっとぼくの感覚からは、離れすぎてしまっているなと思う。
車を持っていて、子どもを塾に通わせられるのは、けっこういい生活だ
と思うんですが、ほかの人はどう思うのでしょうね。
結局、大手新聞社の記者も高給取りだから、こういう感覚なのだ。
指摘すべきなのは、パートや派遣社員を増やして企業が利益を
あげている一方で、正規職員には仕事が集中している労働環境では
ないのかな、と思う。
ぼくなんかは、こういう記事が出ることに、
「好景気」を実感してしまうのです。
皮肉なことです。