人助けする人たち

紅葉 at yatsugatake

5日の八ヶ岳は快晴でした。
八ヶ岳の稜線がはっきり見える。
紅葉の黄色や赤とのコントラストが眩しい。
なんだかんだと、八ヶ岳周辺で過ごして、帰りはいつもの大菩薩峠
日もとっぷりと暮れ、あたりは静寂と暗闇のみ。
ここを抜けると、奥多摩に出られるのです。
山梨と東京の境にあるのが、大菩薩峠なのだが、
そこもまたクネクネの山道だ。通称、大菩薩ライン。
その大菩薩ラインを上り始めてすぐに停車した車列に遭遇した。
ワゴン車が脱輪して、立ち往生しているのです。
そこに、登山帰りと思しきおじさんたちの群れがあった。
みんなで脱輪した車を持ち上げようとしている。
私たちも車を前方に止め、協力しようとした。
そばに行ってみると、おじさんたちは口々に対策を語る。
「持ち上げてもダメなら、ジャッキを持ってきて上げるか」
「ハンドルめいっぱい切って、バックしてみれば?」
「JAF呼んだほうが早いんじゃないの」
そのうち、おじさんたちは人事だからか、楽しみはじめた。
「いい車だから、車体が重いんだよな、ワシャシャシャシャ(笑い声)」
「この車、ジャッキ積んでないの? 私のを貸してあげてもいいけど、
高いよ? ワシャシャシャシャ(笑い声)」
明らかに楽しそうなのだ。
ただ、こういうときに頼りになるのも、年齢を重ねたおじさんたちだ。
どうやら車を持ち上げるのはムリそうなので、
いても邪魔になると思った私たちは、その場から立ち去った。
一台のワゴン車の脱輪を助けるため、誰もが早く帰りたい日曜の午後に、
20人以上の人たちが立ち止まった。
たぶん、東京に住む都会の人たちばかりだったはずだ。
なかなか人の温かみを感じさせる光景でした。