悲惨な事件の原因は?

たまにおもしろい思えたり、印象に残る記事をネット上で発見する。
この前は大手新聞社の記者のOBが書いた記事を目にした。
社会面を長く担当したその記者さんは、
昔、自分が担当した事件を、懐かしさを込めて振り返る。
子の親殺し、親の子殺し、不登校、いじめ、自殺……。
振り返るうちに、今もまったく状況は変わっていない、
もしかすると、もっとひどくなってしまったかもしれない
と述懐する。
どうしてこんなことになってしまったのか?
記者はひとつの答えを導き出す。
それは、


誰も、何もしなかったから


というものだった。
何か自分が書いたことでよくなればと思い、教育現場や地域社会の
環境についても記者は提言しつづけた。
だが、「それも徒労に終わったのかと思うとむなしい」とこぼすのだ。
誰もが何かしていれば、悲劇は起きなかったか?
「誰も、何もしなかったから」
という言葉がどうしても忘れられない。
誰でも何かすることがある、と思えてならない。