身の丈にあった式を

ブライダルビジネスについて特集したテレビ番組を
友だちんちに行って見せてもらった。
「これでも見てみ」って。
そこには費用2000万円から4万9800円までの
〝ピンキリ〟挙式の様子が描かれていた。
やっぱり最後は激安なんだけど、「2人の愛さえあれば」的な
幸せ感をもって番組は終了した。
2000万円かけた挙式では1億円もする色内掛け(?)を
着ると言っていた。なんでも会社社長の令嬢らしく、母親は
「私の結婚式でもある」と豪語していた。
親が過剰に結婚式に思い入れを抱くのは、自分たちが思い通りの
結婚式を挙げられなかった反動ではなかったか。
「私らのころは結婚式もしなかった」と新婚当時のことを
語る人は多い。
「娘(息子)のときぐらいは盛大に」と思ったところで
それを誰が非難できるだろう。


で、見てて思ったのですが、
ブライダルビジネスとしてはこういうのはどうでしょうか。
昔、お金がなくて式ができなかった団塊の世代の親をもつ
30代の人たちにアピールするのです。
「親に結婚式を挙げさせてあげましょう」というやつです。
子どもが親自身に式を挙げさせるように仕向けていくのだ。
これはビジネスになりますよ(もうやってるかな)。
親に結婚式をさせるには30代には経済的に負担は大きいけれど、
仕掛けとしてはおもしろい。
団塊の人たちの結婚式はたぶん質素なものが多かったのだろう。
私の両親も父親の実家で挙げたという。
それに比べて私らの時代はなんと贅沢になったことか。
さまざまな趣向を凝らした演出があり、全員を泥酔させられるほどの
量の酒が振る舞われ、食べ残さざるを得ないほどの食べ物が出てくる。
これを、親の金銭的後ろ盾をもって執り行うのである。
私の場合、もうしょうがないと諦めている。
でも、それでいいのかという忸怩たる思いはある。
悔しいし、恥ずかしいし、情けない。
結婚式は自分の身の丈にあったものでありたい。