忘れたい記憶というのは誰にでもあるのだろうか。
ぼくはまったくありませんね。
この映画の主人公男女2人は、恋人とのつらい別れを忘れるために
ある会社に依頼して過去の記憶を消してもらう。
でも、愛の力は強く、2人は最後には……というお話。
以前、「イルマーレ」という韓国ラブストーリー映画を見たが、
これはかなり話のつじつま合わせが強引だった。
それに比べて本作は一応、つじつまは合わせてある。
ただ、記憶の中(頭の中)の話なのか、現実世界なのか、
そこがちょっとわかりにくい。
どっちかの場面を赤系とか、青系の画像処理をするとか、
ワイド画面じゃなくするとかの工夫がほしかった。
でも時間経過の構成は見事で、ぼくはこういう映画好きですね。
さて、内容についてだが、記憶っていったいなんなのだろうと思う。
人間は、見聞きしたものは全部、記憶されているのだということは
このブログの中でも再三書いてきた。
きっかけがあれば、人は何でも簡単に思い出せるらしい。
そういうことを考えると、記憶を消すことはそう簡単ではない
ということなのだと思えてくる。
コンピュータなどで消せるはずがないのだ。
ぼくはつらい経験のことについて、記憶を消したいとは思わない。
ただ、そういう悪いイメージに囚われて、現実を自由に生きられなく
なるようにはしたくない。
恋人とどんなにひどい別れをしても、それがあったから今の自分が
あると思えれば、それでいいことだ。
そこで1つ質問。
この先、恋人の嫌なことが見えてくるのを〝現実的に〟わかっていたら、
あなたはそれでもその人と付きあおうと思いますか?
それもありだと思う。
人間同士の付きあいって、そういうものだと思うから。