どんな世の中にしたいか

三つの出来事が、ぼくの中で見事につながったという話をしよう。
①大手電器メーカーに勤める開発者である友人と話をしていて、
 「開発者はどのような世の中になるか」を常に考えながら、
 10年、20年先を見越して開発にいそしむものだということ
 がわかったこと。
②長期投資を志向する、投資ファンドの社長さんと話したとき、
 「自分がどんな世の中にしたいか考え、その考えに合致する
 企業に投資せよ」という、投資における姿勢を聞いたこと。
③拡大路線を続ける某IT企業の証券取引法違反容疑のニュースを
 聞いた。その企業の社長からは「事業を行う上で、今後どのような
 世の中にしたいか」という話を誰も聞いたことがないという。


①②の話では、儲けようとするときほど、「どんな世の中にしたいか」を
考えることが大切ということがよくわかったのだが、
③の話の中ではそれがよく見えなかった。
③の社長さんにはそもそもそういう考えがないのか、
あるけど言わないだけなのかは、本人に直接聞いてみないとわからない。
③を反面教師にして、①②の話をその通りだと確信できた。
少しずつでも世の中を良くしようとする人が多数派になれば、
そうしたニーズがたくさん生まれ、モノもサービスも
たくさん消費されるようになる。結果、お金を得られるようになる。
儲けようとするときほど、「どんな世の中にしたいか」考え、
「少しずつでも世の中がよくなるように」考えることが大切
であるということを、マネー教育を受けている
子どもたちにも是非知っておいてもらいたい。