映画『ガンジー』にみる鉄の意志

大人物と言われる人の、かなり多数と言っていいほどの割合の
人たちが、変人だと言ってさしつかえないと思う。
ここでいう変人は、マイナスイメージを意図しない。
ガンジーも十分に変人と言っていい域に達している。
とにかく、頑固なのだ。
彼はインド独立の立役者として知られており、
「非暴力」を貫いた大人物である。
この映画でいまひとつ解せないのは、彼の平和や非暴力への思いと、
インドの人々が彼を慕ることになるエピソードがもうひとつ鮮明に
見えてこないということだ。
なぜ彼がそれほどの鉄の意志を持つに至ったのか、
なぜ人々は彼を指導者として慕うようになったのか。
もちろん、それぞれの解となるエピソードは挿入されているのだけど、
その鉄の意志があまりにも強固であるために、
その慕い方の程度がハンパではないために、
いまひとつ腑にストンと落ちない。
もちろんすべてを詳細に描くことなどできないのだけれど、
そこが強調されていれば、もっとエンタテイメントとして
たのしめたのではないかと思う。
それにしても、「右の頬をぶたれたら左の頬を差し出す」
「断食で紛争を止める」という方法には改めて驚嘆するしかない。
人種を超えて支持されたガンジー
インド経済に注目する前に、彼の生涯ぐらいは知っておかねばなるまい。