手軽にお金を稼ぐ人たち 

犯罪に手を染める素人が激増している。
振り込め詐欺ワンクリック詐欺、インターネット販売詐欺など
詐欺事件がここのところ多くニュースに登場する。
先日も友人の話では、オークションサイトに偽りの商品を出して
荒稼ぎする人がいると聞いた。
「人気ミュージシャン●●使用のピック」と書いて売り出すのだそうだ。
「使用済み」と書いていないから、同型の商品ということだというのだが、
謳い文句で装飾し、いかにも「人気ミュージシャンの使用済みピック」と
読ませるような工夫をしているという。しかし、使用済みと書いていない
のだから詐欺にならない、裁判にも勝てると豪語しているという。
明治安田生命の保険金未払いのニュースが出たが、素人が保険金詐欺に
手を出すようになったので、保険会社も調査が大変なのだという。
なぜ素人でも保険金詐欺ができるようになったかというと、
ネットにその方法が流されているからだという。
今では学生・主婦・OLがこの手の犯罪に手を染めている。
中学生がオークションで金だけ巻き上げていたというニュースでも、
その中学生はネットから犯罪手口を学んでいたとあった。
昔は、暴走族、暴力団といった、「アバレル関係」の人たちの
専売特許だったこれらの犯罪も素人が手を出すようになった。
ネットでチケットを高値で売り出すのも、ダフ屋行為そのものだ。
これではアバレル関係の人たちもたまったものではない。
逆に言えば、アバレル関係に入らなくても誰でも手軽に犯罪、
もしくは犯罪すれすれの行為が行えるようになったということだ。
暴力団が構成員不足になるわけである。
以前なら、犯罪手口の情報は、刑務所に入った人たち同士の間で
やり取りされるだけだった。だが、犯罪に手を染める人たちが、
情報を流すことによって、素人が罪を犯すようになった。
ネットで不正に映画や音楽をダウンロードしたり、
不正にコピーしたソフトをインストールしたり、こんなことは
誰でもやっている。犯罪という意識がないのだ。
モラルハザードもここに極まれり、である。
結婚して再就職する気がないのに失業手当を不正に受けたり、
自己破産の審査が簡略になったのを逆手にとって借金を踏み倒す人もいる。
裏技と称するお得情報と犯罪との境界線があいまいになっている。
犯罪者たちは、塀の中に入っても三食昼寝つき、テレビのある個室で、
規則正しい生活を送り、健康になって出所してくる。
テレビで社会情報を得ていないと社会復帰が難しいからだという。
本当にそうか? なんかおかしくないか?
これはもう「1億総犯罪者時代」だ。
すごい世の中になってきた。