今年もやってきたツバメ

スワローがやってきた。
うちのアパートのドアの真上の換気扇の出口に
巣をつくっていて、毎年やってくる。
彼らは暖かいうちだけいて、子どもを生み、育てたら
またどこか南のほうへ行く。
大橋巨泉なみに国内外を行き来しているのだ。
大家さんもいい人で、巣の下に「糞受け」のトレーを
針金で吊るしているから、糞害を受けることはない。
巣を撤去することはない。共生が大切だ。
夜中、ぼくが帰ってくると、上から彼らが見下ろして
覗いていることがある。
「おお、帰ってきたな、ぼうず」と、親戚のおじさんの
ような目で見つめてくる。
卵が孵化すると、ぼさぼさのあたまとくちばしだけの
ヒナが巣からのぞくようになる。
親鳥たちの子育ては大変だ。
交代で卵をあたため、孵化したらひたすらエサを
運んでこなければならない。それには雄も雌もない。共働きである。
巣立ったら、狩りの仕方も教えなければならない。
自分も食べていかなければならないし、ヒナたちを外敵から
守らなければならない。休んでいる暇はない。
楽して食っているやつはいない。
自然の動物を見ているとそれがよくわかる。