ホタルの光 

実を言うと、ぼくは今まで生のホタルを見たことがなかった。
岡山の、あんな山と水に恵まれた土地に育ったというのにだ。
今回は、東京・福生市の「ホタル祭り」に行ってきた。
露店の魅力も手伝って、すんごい数の人出で賑わった。
なんとか会のみなさんが、真心込めて育てた
何千というホタルが公園と近くを流れる川に放たれていた。
一言で言うと、魅了された。
なんというか、淡くて、力強い、なんとも言えない光なのだ。
これがホタルの光なのか。
ホタルのエサとなるカワニナなどはきれいな水辺にしか
生息しないので、ホタルもきれいな水辺にしかいない。
今ではめっきり見られなくなったとお年寄りは嘆く。
あそこに集まった人たちのうち、いったいどれだけの人が
環境のことについて考えただろうか。
ホタルの住める水辺を復活させるために
何ができるだろうか。
最後はやはり「蛍の光」が流れた。
そんなことを考えながら、この曲を聴くと
寂しさが倍増した。