架空請求

私はこの手の話がいっちゃん頭にくる(と、前にも書いたような気がするが)。
調剤薬局に開局スタッフとして勤めだした人によると、
その薬局では、薬の架空請求をするという話である。
薬局の経営者である、管理薬剤師の人間が、
自分の名前で薬を処方し、実際に薬は出さずに、国保から薬の
7割の代金を国保に請求するという話だ。
この経営者、薬の棚卸しを拒むというから、
帳簿をごまかそうということなのか。
こんなものは帳簿を見れば、一発でわかる。
薬は減っていないのに、請求だけされているからだ。
今は以前に比べて不正はしにくくなっているようだが、
まだこんな古典的なことをする人がいるのかと驚いた。
こういう人は、社会保障費が40兆円を超えて、
国保のみならず、財政が破綻寸前であることを
どのように考えていらっしゃるのだろうか。
われわれが汗と涙と、血は出なかったが、そのようなものの
結晶として収めているお金のことを、
どのように考えていらっしゃるのだろうか。
私はこれまでこのような話はもういやというほど聞いてきた。
公共工事を請け負った建設会社がどのような不正をしてきたか。
医療機関がどのような不正請求をしているか。
ウラでどのような談合が行われ、どのような裏金が飛び交っているか。
それはもう吐き気がするほど聞いてきた。
あまりにも汚すぎる。
そういう不正をする人を含め、日本人すべてに
次の数字を認識してもらいたい。

社会保障費     42兆円(税収は39兆円)
失業者      360万人
世帯主の失業   300万軒
生活保護世帯    45万世帯
独居老人     340万人
高校中途退学者   14万人
フリーター    410万人
引きこもり     40万人
自己破産      25万件(200世帯に1人)
自殺者      3.2万人(1500世帯に1人)
(数字はいずれも近年のもの)
これがまぎれもない日本の現実だ。
これでいいのか。いいわけはない。
私たちは子どもを生み育て、そして年をとって
安楽に死ぬことができるのだろうか。
公金の使い方をまじめに考えないと、いつかは自分の身に
降りかかってくることを肝に銘じておいてほうがいい。
これらの数字を、自分のこととして考えておきたい。