星一徹の教訓 

府中市の「くらやみ祭」で、たくさんの露店が出ていた。
なかには射的とか、ボールの的当てもあった。
今でもボールの的当てなんていう露店があるんだなと懐かしかった。
昔、漫画『巨人の星』でこんなシーンがあった。
父・星一徹は、飛雄馬に50円を持たせ、たばこを
買ってきてくれと頼む。
雄馬は、おつかいに行った先で縁日に出くわす。
そこでボールの的当てゲームのたばこの景品を目にする。
一徹に鍛えられていた飛雄馬は、一回40円のゲームで
見事10箱のたばこを手にする。
一徹に褒められるだろうと喜んで帰った飛雄馬に、一徹は言う。
「これはどうしたんだ?」
事情を知った一徹は、
「こんなことをさせるためにお前に野球を仕込んでいるのではない」
と言い、飛雄馬と一緒にその露店に行って、
「たばこはいらん、金を返してもらおう」
と、10箱のたばこと引き換えに40円を返してもらう。
泣きじゃくる飛雄馬を優しく抱きしめてやる父・一徹――。
そんなことを思い出した。
損得ではなく、大切なことを日々の生活の中で、子どもに諭していく。
こういうことができる親はどれだけいるだろう。
自分が父親になったら、一徹みたいな親父になりたい。