ママカリの知名度

岡山県の名産に「ママカリ」というやつがある。
岡山県出身のぼくでさえ、「ママカリ」の存在には
10年前東京に来てから気づいたというのに、
他府県の人は結構知っているんですね。
「あー、なんか魚のやつでしょ」と言う人がいる。
そのとおりだ。
なんか魚のやつ、なのである。
名前のインパクトもあろう。なにせママカリなのだ。
昔、あんまりにもおいしいので、隣にマンマ(ご飯)を借りに
いっていたということからついた、率直なネーミングなのだ。
海の魚で、なんつーか素人的にはアジに似たような感じなのだ。
ぼくは地元でちゃんとしたママカリ料理を食した覚えがない。
で、どうして岡山でそれが名産になったのかも不思議だ。
驚くのは、岡山には「ママカリフォーラム」という、
コンベンションセンターさえあるのだから、さらに不思議だ。
いまはもうみんな贅沢になったし、ほかにおいしいものが
いっぱいあるから、ママカリは人々がそれほどありがたがる
食材ではなくなったのだろうが、昔はみんな喜んで食べたのだろう。
ご飯を借りるという風習といい、
なんとなく古の香りのする魚ではある。