死ぬ前に会社を辞めてください

思わぬ訃報が飛び込んできた。
高校時代の野球部の先輩が亡くなったという。
1年半の間、意識不明の状態であったらしい。
彼が勤めていた会社にもといた友人から
激務の様子を聞いていたので、過労死という
言葉がすぐに浮かんだ。
その友人の話では過労死かどうかで
現在、遺族と会社側がもめているという。
軽率なことは言えないが、病気でないのなら
まったく会社側に非がないとはいえないだろう。
亡くなった彼には3歳の子供がいるという。
一年半も寝たきりで、医療費も莫大になった
ことと思う。遺族の今後の生活を思うと
やりきれない気持ちで、どうにもたまらなくなる。

こういう話を聞くたび、死について考えさせられる。
日々悩み苦しんでいるのがどうしようもなく
矮小なことに思えて、そんな自分にもいらだつ。
なぜ会社にそれほど身をささげた人が
死ななければならなかったのか。
自ら自分のいのちを断つ人がいるというのに、
どうして彼が死ななければならなかったのか。
もうよくわからなくなってきた。

もし会社が彼に激務を強いていたなら、その会社を心から憎む。
どんな理由があるにせよ、ぶっ倒れるまで仕事をさせるべきではない。
もし会社が激務を容認していたなら、せめてその姿勢を改め、
今後このようなことが二度と起こらないようにしてもらいたい。

まじめでやさしい人ほど仕事が集中し、苦しむことになっている。
いまだにモーレツサラリーマンがもてはやされ、朝はやくから
夜遅くまで働くことが美徳とされ、そうでなければ、「お前は甘い」
と経験主義的な先輩から諭されることになっている。
仕事は夜遅くまでやったり、徹夜でやったりするものではない。


倒れる前に休んでください。
どうしても休めないのであれば、会社を辞めてください。
そんなに仕事をさせないでください。
休ませてあげてください。
人を死ぬまで仕事させるなんてことは
絶対にあってはいけない。
絶対に。