東京って

ぼくはいま東京に住んでいる。
輪島に行ったときのこと、たまたま女性2人と
酒席を同席させていただいた。
1人は年上で、1人は年下だった。
彼女らの話を聞いていて、うらやましかったことがある。
彼女らは平日でもその日に連絡を取り合って、
夕方からバーベキューをしたり、
飲みに行ったり、海に行ったりするらしいのだ。
小さな町だから、車で移動する彼女らは15分もあれば
みんなが集まれてしまう。
もちろん、就いている仕事にもよるのだろう。
だが、それに比べて東京はどうだ。
遊びに行く約束をするときは、何週間も前から日程を決め、
夜9時スタートということも珍しくない。
平日は飲みにいくという選択肢しかありえない。
そのあとはカラオケかもう一軒飲みに行くかだ。
平日の仕事が終わってから、バーベキューをしたり、
海を見に行くということはありえない。
東京では平日だと、約束をしていても
当日、仕事が入ったなどとドタキャンになることもある。
運よくみんなが集まれたとしても、終電にびくびく
しながら飲み、1時間電車に揺られて帰ったら
次の日の午前一時なのだ。
はっきりいってぼくは東京に対する憧れは
まったくなかった。ただ、いまの仕事が東京にしか
なかったから、東京にいるだけのこと。
そうかといって、東京が嫌いかというと、
そんなことはないから悩ましいところだ。
まあそんなことを一言でいうと、
「ないものねだり」
に落ち着くと思うのだが。