議会の紛糾を超えて

 朝起きて、いったんベッドから起き上がり、20分ほど
のたうちまわってから、やっと二足歩行をはじめてテレビ
のある部屋へと向かう。
 そこにはちょっとしたソファーがあるので、そこにまた
横たわる。背もたれの部分に片足だけをひっかけて、
「あ〜、しんど〜」のポーズをとるのである。
 このあたりでもまだ脳内は鮮明になってはいない。
 ここで、「そろそろ起きなくては」と「もうちょっと寝ていたいの」
という、人類が最も苦悩するといわれる葛藤の茂みへと足を踏み入れる。
天使と悪魔、感情と理性、勤勉と怠惰が交差する。 
 人間の脳は、右脳と左脳に分かれているが、左脳は理解力とか、
論理的な考え方をするときに主に使われ、左脳は感情や感覚的なもの
をつかさどるといわれている。
 この時間の脳は、国会でいうと「議会が紛糾している」状態である。
右脳の参議院でもめ、左脳の衆議院でもまとまらず、という状況に似ている。
 もう待ったなしの時間になると、ようやく「やっぱ起きなきゃ」と、
衆議院である左脳の理性が働き、強行採決に向かう。つまり、朝の
身支度を、ようやくしはじめるのであった。