硬水と軟水  

関東は硬水で、関西は軟水というのがよくいわれる。

関東は富士山の火山灰が降り積もった関東ローム層が基本なので、

地下に水が浸透しやすく、ミネラルを多く含んだ硬水になった。

関西は粘土質の土壌のため、地下に水がしみこみにくく、

軟水になった。

山に降った雨が私たちの飲み水になるわけだが、

じっくりゆっくり地下を通るときに、水にミネラルが溶け込む。

関西は降った雨がすぐに流れるからミネラルが少ないわけだ。

これが関東と関西の出汁文化に影響を与えたとされる。

昆布や鰹のうま味成分が溶け出すときには浸透圧が影響する。

水にいろんなものが含有されていると、

うま味成分が溶け出す余地があまりない。

(昆布が海水中ではうま味が出て行かない理由)

なので、ミネラルの少ない関西の水は、

昆布のうま味が溶け出しやすかった。

逆に関東は昆布のうま味がうまくでないので、

鰹のほうが出やすいので、鰹出汁に醤油を加えたものが

汁のベースになったということ。

海外は日本のように急峻な山を持つところは少なく、

じっくりゆっくり流れるため、多くが硬水なのだろう。

関西の出汁文化は世界でも稀有なものなのかもしれない。