テレビでよく格安葬儀のCMを見るようになった。
9万8000円とかで必要なことはやってくれるようだ。
昨今、コロナで人も呼べないし、これでいいかと思ったり、
故人が迷惑をかけたくないと生前、希望していたり、
そもそもお金がないとか理由はそれぞれだろう。
こういう葬儀を選んだ人の中には、
「どうしてあんなに簡単に済ませてしまったのか」
と後悔する人もいるのだそうだ。
それは別の人の葬儀に行ったときに気づくという。
葬儀は、第一義的には故人を送るというものがあるが、
それと同じくらい重要なこととして、
遺された人のためのものでもある。
葬儀には、遺された人たちに死を受け入れさせ、
その後の孤独、孤立を防ぐ意味合いもある。
長年の知恵でもって、こうした目的のために儀式をつくった。
それが通夜や初七日、四十九日などの法要なのだろう。
今は「昔からこうしてきた」が通じない世の中になった。
一から説明して目的を伝えないと受け入れられない人が大半だ。
「昔からこうしてきた」は決して闇雲にでき上って来たものじゃない。
これは失われてからでは遅い。
時には盲目的に昔からの慣習に習うことも必要よね。