『学校に行けない僕と9人の先生』

タイトルに惹かれて手に取ったが、

中身はマンガだった。

作者が自分の過去をもとにした作品らしい。

この作品では、子どもの周囲にいる先生や友達の言動を

本人がどのように受け取ったかにフォーカスされて

描かれている。

そこがもういちいちリアルなのだ。

うちの子も不登校を経験したので、

おそらく同じような受け取り方をしているのだと思った。

感受性が鋭すぎるために、流れてしまうような出来事に

その都度、感情が激しく揺さぶられてしまう。

その鋭すぎる感性を生かせるマンガというフィールドを

見つけられた作者は幸運だと思う。

9人の先生の中にはいい人も、そうでない人もいるが、

先生たち自身もさまざまな背景を背負っているのだから、

簡単に批判して切って捨てることはできない。

学校という何か「ふつう」が求められる雰囲気、

周囲に合わせなければならない空気のようなものが

どうにかならないものかと思う。

もういっそのことクラスみたいなものは解体してしまって、

授業ごとに仲間が変わるぐらいにしてもいいのかも。

そんなことをいろいろ考えさせてくれる作品でした。