木材の調湿効果

日本の木造住宅の家は、「三匹の子ブタ」の
2番目の子ブタが作ったような、枝を組み合わせたような
ものではない。
しっかりと太い柱でつくられたものだ。
木材の住宅の技術が発達したのは、日本が木に恵まれて
いたというだけではない。
日本の気候と関係がある。
日本は温暖湿潤気候で、とくに夏場の湿度が高い。
周囲を海に囲まれ、年間降水量が多いからだ。
そういう地域では家の快適性は調湿のウェートが大きい。
いかに湿度をコントロールするか。
住宅に用いる木材は、十分に乾燥させて使う。
そうでないと、乾燥する過程で歪みが出てくるからだ。
乾燥して歪みが出てから加工すれば、もうそのあとは歪まない。
いったん乾燥した木材は構成する成分によって、
空気中の湿度が高ければ湿気を吸い込み、
空気が乾いていれば湿気を放出して常にバランスを
保とうとうする性質がある。このことを調湿作用という。
木材には調湿作用があるため、木材でつくられた家は
湿度を一定に保つ効果が見込める。
これが室内の生活での快適性に寄与する。
いま木材で高層住宅がつくれるようになってきている。
鉄筋コンクリートの高層タワーマンションより、
木造20階建ての住宅が主流になる未来がくるかもしれない。