いただけない勧善懲悪ストーリー

テレビで海外の衝撃的な出来事の映像をよく流している。
今日はケニアのショッピングモールで起こったテロ事件の際に、
人々がどうやって自分の身を守り、テロの犯人たちに
対抗していったかを説明するように映像を構成していた。
テロに対抗する特殊部隊や勇敢な市民を
ヒーロー的に扱う構成に疑問を感じた。
このケニアで起こったテロは、テロ犯たちが報復行為として
行ったものであることが番組で明かされた。
報復行為というのは、テロ犯たちも被害を受けた側であるということだ。
番組では、子供たちがいつ銃で撃たれてもおかしくなかった状況だったのに
不思議と撃たれずに助かっている。
それはテロ犯の子供たちも殺されていたからではないだろうか。
ショッピングモールで市民を巻き添えにするやり方は
テロには違いないのだが、海外で起こった出来事を、
その政治的な背景を知らずに、勧善懲悪のような図式で見るのはとても危険だ。
こういうのをメディアリテラシーというのだろうな。
無邪気に「感動した!」なんて言っていては
物事の本質を理解できないばかりか、
事実誤認して害悪のほうが大きくなるということだ。
まあテレビなんてそうやって楽しむくらいのメディアなのかもしれないが。