何をもって「異常」とするか 

「世界的に異常気象が続いていますね。
地球がおかしくなってきているかもしれません」
ニュースキャスターが神妙な顔つきで、
明日の気象条件に十分注意するようにいう。
「異常気象」は毎年耳にするフレーズだ。
毎年起こっているなら異常じゃないはずなんだけどな。
災害が最小限になるように、人々に警戒させるように
過度に大げさな言い方をするのがテレビだ。
災害というのは、人が死んだり、家が流されるから起こる。
そこに何も建物も建っていなくて、野生動物が死んだだけなら
災害にはならない。
人間が勝手に、人間にとって過酷なことが起こる場所に
家を建てて住んでいるに過ぎない。
災害がなければ、異常気象もないわけだよね。
つまりこういうことだ。
異常というのは災害対策の言葉で、
自然環境はこういうものだと思ったほうがいい。
突拍子もないことが起こるのが自然だ。
そういう根本的な理解がないと、「天変地異だ」とか、
「地球はもう終わりだ」といって終末説を信じてしまうことになる。
自然はどんなことも起こりうる。
常に想定を超えてくる。
それを知っていたほうが、なんぼか防災に役立つ。