無尽とは何か?

山梨県に「無尽」というものがある。
地域コミュニティのことで、飲み会のようなもので、
決まったメンバーで月一度集まり、飲んで話す。
それともうひとつの側面として、お金を積み立てたり、
持ち寄ったりして、みんなのための楽しみのために使う
というものがある。
飲み会の代金とは別にお金を持ち寄る。
たとえば、5人がそれぞれ1万円を出して集まった5万円を
ひとりが持ち帰る。
これを繰り返す。
5万円を得た人もあとで1万円を5回支払うことになるわけだ。
これは各地にある頼母子講と似ている。
頼母子講はちょっと違う。
例えば、12人メンバーがいて一度に各自が千円ずつ出して、
毎回1万2000円をつくる。これを月一で年12回やる。
これをメンバー12人で競りにかける。
3000円で競り落とすと差額の9000円を得る。
しかし、以降の競りには参加できなくなり、千円を出すだけとなる。
つまり、いま9000円を得る代わりに、ローンで1年に渡って
計1万1000円を返していくということだ。
つまり、1万4000円を出して9000円を買ったことになる。
最後のほうになると、1000円以下で1万2000円に近いお金が
得られるというわけだ。
競り金は積み立てられ、積立金はみんなで忘年会でパーっと使ったり、
年一回の旅行の資金の足しにしたりする。
日本が貧しかった時代に考え出された相互扶助のシステムだ。
今は金融の機能が抜け落ちて、つながりだけが残る場合も多い。
そのひとつが無尽なのだろうと思う。
山梨は健康寿命が日本一だという。
そこに無尽のコミュニティ機能があるという見方もある。
やはり人と交わることで人は元気でいられるのかもしれませんね。