石垣山一夜城

石垣山一夜城という史跡をご存じだろうか。
滋賀の墨俣一夜城は有名だが、神奈川にも小田原の先に
石垣山一夜城という城跡がある。
豊臣秀吉は天下統一の総仕上げとして関東の制圧にかかった。
そこで壁になったのが後北条氏だ。
秀吉に従わなかった北条氏に対して、彼らの居城・小田原城
22万人の大軍を送る。
それなりに大きな大名だった北条を屈服させることは
秀吉の最後の宿題だったから、容赦しなかった。
秀吉は、小田原城を見渡す石垣山の頂上に城郭を建設する。
城壁の代わりに紙を張り付けた張り子の城を、秘密裏に急ごしらえし、
夜の間に城の前面の木を一斉に切り倒した。
小田原城からは一夜のうちに山頂に城が現れたように見えた。
そうしてサプライズをしかけることで、相手の戦意をそごうとしたのだ。
小田原は結局、北条は会議を繰り返すが、
有効な対抗手段を見出すことができず、降伏する。
それで生まれたのが「小田原評定」の故事である。
城の壁の代わりに紙を使ったことは、秀吉に臣従していた
伊達政宗の日記に書いてあるのだという。
現在、周辺が整備されて駐車場もきれいになっている。
箱根に行ったときにはぜひ訪れてみてください。