「戦地に行くことになったら辞めます」

出張先でひょんなことから現役自衛官に会った。
20代の半ばから後半ぐらいの男性だ。
誰が聞いたわけでもないけど、
「戦地に行くことになったら辞めます」と言った。
集団的自衛権の行使容認の閣議決定が行われたことを
受けての、素直な発言だった。
私はがっくりした。
「私のような自衛官は多いですよ」
というので、二度がっかりした。
ただ、無理もないという気も一方ではする。
だって彼らが自衛隊に志願したときは、
自衛隊はあくまでも自衛のための部隊だったんだものね。
それが海外に行って、味方の国を助けるために戦えという
ことになったのだからね。
もちろん、そういうことも想定して自衛隊に入るべきと
いってしまえばそれまでなのだが。
私ならどうするかと考えてみるが、答えは出ない。
妻、子どもがいたら、間違いなく辞める。
いなかったらどうかわからない。
いまの頭なら辞める選択だけど、それまでの間に自衛隊の中に
いたらどうかわからない。
「戦地に行くことになったら辞める」という彼を
責められないような気がどうしてもするんだよなあ。