異色の山番組

BSフジで新しく始まった「山においでよ」という山番組がある。
「山においでよ」がそれ。
今回は2回目で、狩野英孝という芸人が挑む。
芸能人が自分自身で選んだ山を、自分が選んだ装備で
登るというのがコンセプトだ。
バラエティかと思ったら、ドキュメンタリーなんですね。
最初に登りたい山を決め、装備を買い、ガイドと一緒に登る。
八ヶ岳の赤岳を選択する。
途上で雷が鳴りはじめる。
ここから一気にドキュメンタリー色が強くなる。
尾根に出てからガイドさんがスピードアップ。
青息吐息でついていく狩野氏。
狩野氏がついてこられなければ、登頂は断念せざるをえない。
画面からは狩野氏の吐息だけが聞こえる。
なかなかリアルな番組だなと思った。
土日にやってる山番組だと、のどかに山ご飯とか食べている。
でもこっちは硬派に、悪天候や体力不足なら途中で引き返すのも
厭わない構成だ。
こういう番組も必要だという気がする。
稜線に出てから風雨にやられると、命の危険がある。
高山になると、森林限界の上は木々が生い茂っておらず、
稜線は吹きっさらしになる。
稜線に出てから登頂し、森に入るまでの時間を急いだあたりは
緊迫感が一気に増していった。
なぜそうなったか、ガイドの解説があればもっとよかった。
山の事故が今年も相変わらず多い。
中高年を中心に山歩きは空前のブームだ。
しっかりした準備と、知識の備えが欠かせない。
こういう番組にこそ、そういう面をしっかり教えてほしいと思う。