型にはめられないもの

先日、探偵ナイトスクープという番組の、
「23年間、会話のなかった夫婦」の話を書いたけど、
メディアでもこの話題がけっこう取り上げられていた。
私はいい話だと思ったのだけど、こういう反応もあった。
「あの時代の男性は、妻に対する甘えが強い。
妻はわがままな夫の犠牲になった」という論調。
身勝手な夫、我慢する妻という構図を見てとったわけだ。
でも、それって安易な見方だなと思う。
会話がないという妻の不満が、どこかで解消されていたから、
26年もの間、離婚しなかったんじゃないか。
言葉以外の方法で心を通わせていたのだと思う。
あ、もちろん、それがいいっていうのではありませんよ。
世間から見て、どんなにひどい夫でも、妻がそれで満足なら
それで夫婦って成立するんだからね。
夫婦の形は、型にはめられないってことだと思う。
一般的ではないけど、言葉以外に心を通わせられていた、
だから離婚しなくてもよかった、私はそう思いたい。
私もよく言葉足らずで、怒りを買うことがある。
「言葉以外の方法」をこの夫に聞きたいぐらいだ。