あれから17年

あれからもう17年も経ったのか。
私が東京に出てくる2か月半前、阪神・淡路大震災が起こった。
あの大地震からの月日と私の東京生活の月日はほぼ重なる。
あの日、突き上げられるような揺れで叩き起こされた。
それまでの19年の人生でもっとも激しい揺れだった。
あのとき以上の揺れを、今度は東京で経験することになろうとは。
阪神・淡路のときは、自分が死ぬなんてことは微塵も頭をよぎらなかったが、
今回はちらっと思った。
「このビルがミシミシと音を立てたら、外に逃げよう」
そういうことが考えられるほど、長い揺れだった。


この17年の間、阪神・淡路の被災地に対してボランティアや寄付はしなかった。
今回もボランティアはこれまでしていない。
仕事を通じて、震災と被災地に関する記事を2,3書いたに過ぎない。
今回ほど無力感を感じたことはないし、何もしていないことを少しは恥じている。
年末は震災の特別番組をテレビでやっていた。
「見ると辛くなるから見たくない」と思っていた。
でも本当は、「自分の無力さが思い出されるから見たくない」のだとわかった。
自分の無力さを自覚し、それを前提として、今後の行動を考え直したい。