「マイレージ、マイライフ」

ジョージクルーニーが、年に322日出張する、
「リストラ宣告人」のライアンを演じる。
誰もやりたがらない仕事だから、報酬も高い。
クビを宣告された人はいう。
「何十年も勤めたのにこの仕打ちか?」
自分を辞めさせて浮いた金が、このリストラ宣告人に支払われている
ことに気付き、取り乱す人もいる。
アメリカっぽいなと思ったのは、アメリカでは「肩叩き」も外注する点、
一方で、意外だったのはリストラされて非常に落ち込んでいる点だ。
アメリカでは職を次々移るものだと思っていて、
リストラされてもそれほど落ち込まないのかなと思っていた。
でも、年とった人なんかとくに非常に落ち込む。
考えてみれば、当たり前ですよね。
そんな仕事をする主人公は、マイレージを貯めることが生きがい。
結婚して子どもを持とうとせず、機上がマイホームだと言い張る。
でも、部下となった大学出たてのナタリーという女性社員が
出張をやめて、オンラインで解雇通告する方法を提唱する。
機を同じくして、ライアンの妹が結婚する。
ライアンは、ナタリーとのやりとりや、妹の結婚を契機に
マイレージを貯めるだけの人生を振り返りはじめる。
結婚や子どもを生むことにどんな意味があるか。
ライアンは、自分が言える立場じゃないが、と前置きして言う。
「昨日、眠るときにさびしかったか?
さびしかったなら副機長が必要だ」
やりきれない仕事だが、進んでいかなければならない物悲しさがある。
ライアンが妹に見せる優しさは、家族への愛を失っていない証拠。
それをもつ人が家族を求めるのは自然だと思った。
簡単に人生観は変わりようがないはずで、ちょっと安易だと思ったけど、
ストーリーとしてはなかなかよかったです。