「便乗値上げ」は本当か?①

被災地では便乗値上げがされているという情報が出ている。
大根一本が800円とか白菜1玉が1000円とか。
他にもネットオークションを見れば、
水や電池が高値で売られていたりする。
ガソリンもリッター200円で売っていた業者がいたようだ。
東京でこういった話を聞くと、「暴利をむさぼる悪い輩がいるものだ」
となるのだが、被災地の状況は違う。
どうも「しかたない」と思っている人も多いようなのだ。
実際に被災した人の心理状況は、していない人には想像しにくい。
そもそも物の価値というものは、平時と非常時では違っていて当たり前。
非常時は手に入りにくくなり、需要に供給が追い付かないから
価格は跳ね上がる。それが資本主義の市場の原理だ。
私を含めた被災していない多くの人は、本当の被災地のつらさが
わからず、平時の考えを持ち込むから「便乗値上げ」と思ってしまう。
すぐに「便乗値上げはけしからん」と糾弾する心には、
「所詮は人ごと」という意識が巣食っているのだ。
私たちは自分の平時の考えを現地に持ち込んで、
いいだの悪いだの言わないほうがいい。
それよりも被災地の声に耳を傾けて、本当の問題は何なのかを
考えたほうがいいのではないかと思う。