ガテン系にあこがれる

ライターという仕事は、取材して(人の話を聞いて)、資料で調べ、
文を書くことが大半です。
このうち、取材以外はすべてデスクで行います。
そのため、体を動かすということが皆無なのです。
そのせいかわかりませんが、頭の中の数パーセントは、
ガテン系というか、体を動かす仕事に憧れというか、
「彼らには勝てねえ」的な感覚がどっかにあります。
それは男としての、もっといえば、オスとしての「勝てねえ」感かも
しれませんが、少しではあるものの、確固たるものとしてあります。
古来、狩りをするにせよ、稲作するにせよ、体を動かして糧をとって
くるのが男の役割でありました。
それが、ここ数十年で急速に体を動かさなくなっていきました。
いまはデイトレーダーなんて、究極の「体動かさない人種」も
登場してきました。


あるとき、年の近い男性編集者と飲んでおりましたところ、
彼の同僚に若い女性編集者がいて、その彼氏はとび職なのだという
話を聞きました。
彼女の話では、とび職はどうやって現場から落っこちないように
するかというと、彼氏いわく「気合!」だそうです。
「勝てねえ」ってそんときも思いました。
実際にやっている人の「気合」ほど、説得力のある言葉はありません。
そういえば、日本代表の闘莉王選手の好きな言葉は「気合」だそうです。
生まれも育ちも日本の若者がこれを言ったらバカにされますが、
ブラジルで育った闘莉王は、この言葉の意味が、価値がわかるのでしょう。


それにしても・・・、
海や山で危険を冒しながら、仕事をしている男のかっこよさ、
衣食住を担っている人たちのかっこよさ、
これには私たちは勝てません。


現代人は頭を動かすことと体を動かすことの
バランスがとれていないのです。
だからストレスいっぱいで、病気になったりします。
ストレスからくる精神的な病に、体を動かすことが有効であることが
さまざまなところから指摘されはじめています。
やはりもっと体を動かすべきなのです。
いつかもっと体を動かす仕事がしたいと思っています。
いまはせめて「気合」入れて、仕事したいと思います。