日本がすき

「あなたは日本が好きか?」
と問われて「はい、大好きです」と答えられる人はどれだけいるのだろう。
私はそのうちの一人です。
日本と日本的なもの、伝統的なものが好きなのです。
以前にも書いたように、手紙の作法として自分宛の手紙に「行」と
書いたり、「つまらないものですが」といって土産を渡すことなど
他者を慮り、謙虚な姿勢を見せる文化はすばらしいものだと思います。
こういうことをいう人は年配の人でも少ないでしょう。
国粋主義という人もいれば、右翼という人もいます。
それはさておき、私も「行」や「つまらないものですが」を
くだらない、取るに足りない、なくなってしまえばいい文化だと
思っていた時期がありました。
でもこういう文化があることのすばらしさに、
20代半ばぐらいになってやっとわかるようになってきました。
いままで40の都道府県を回りましたが、どこへ行っても
いやな思いひとつしたことがありません。
祭りなんかを見ても、その地域の人が子どもにも祭りでの役割を与え、
次の世代に伝統を継承していることがわかります。
こうした地域の伝統がなくなって画一的な日本をつくったって
何にもおもしろくありません。
方言がなくなったら旅のたのしみの何割かは失われてしまいます。
日本的なものを継承し、世界の中で特徴的な日本であることが、
日本人自身を幸せにすると思います。
日本はダメだ、日本人はバカだという人には、
「あなたが育ったのはその日本ではないのですか」
といいたいのです。
なぜ私たちは明日の食べるものを心配することなく
テレビを見て、音楽を聴き、アプリでゲームをすることができるのか。
もっと深く考えてみようと思っています。