いままでにない出版不況

気づけばもう12月である。
出版業界で本を制作していると、今ぐらいの時期に年内最後に
発刊となる本の作業がほとんど終わる。
そのためその追い込みの時期を過ぎると、私などは
「やれやれ、今年もなんとか一年終われそうだ」という気持ちになる。
ほんとは来年の本づくりを頑張らなければならないのだが、
どうしてもエンジンがかかってこない。
12月に頑張ると来年、1月2月に本が出せる。
どんどん手持ちの弾を打ち出しつつ、
次の弾を込める作業をやらないとすぐに枯渇してしまう。
この1年はこれまでに経験したことのない出版不況だ。
自分がつくる本もそうだが、全体的に返本率がジリジリ上がっている。
出版社は低価格の本をつくろうとしているし、
コスト削減の余波が私のような制作会社にも及んできている。
もしこれから出版業界を志そうという学生さんなどがいたら、
出版業界に就職することを今一度よく考えてみたほうがいいかもしれない。
活字で仕事をしたいなら出版業界以外にも道はある。
もちろん、書籍出版には夢もあるけれど簡単な世界ではない。
イラストレーターさんや校正者さんのなかには、
出版業界以外の仕事を視野に入れつつある人もいる。
私も近い将来にそういうことを考える必要が出てくるだろう。
ともあれ、同業者の方々、がんばりましょう・・・。