過保護とは

たまに仕事の打ち合わせが終わったあと、
編集者などと雑談をするが、子育ての話になると盛り上がる。
子どもが道路で転んでも笑ってみているだけとか、
テーブルに登って騒いでも注意しないとか、
「そんなの信じられない!」というのだ。
そういう話を聞いていて感じるのは、
過保護な親が多い一方で、「うちは自由におおらかに育てる」と
いいながら、しつけに無頓着な親も多いということだ。
たぶん、メディアで極端な例ばかり見たり、聞いたりするので、
その反動で逆の方向へ極端に流れるのだろうと想像する。


よく過保護はいけないというのだけど、
どういうことを過保護というのだろうか。
小学校の元校長だったある先生のお話によると、
「過保護とは子どものいう通りにすること。
親不在がすなわち過保護である」
と明快に解説してくださった。
「あれ買って」といえばその通りにし、
「これ食べたくない」といえば他のものを与える。
子どものいう通りにするのであれば、親なんかいらないというのだ。
親は保護者として自分の価値観を子どもに押し付けるべき、という。
私もまったくその通りだと思う。
そうすることでしか子どもは守れないと思う。
子どもに自分の価値観を押し付けるには、親自身が日々の生活を
きちんとして、ある程度自分を律しなければならない。
そうしていれば、子どもは自然と育つと思う。
いまの時代は経験する前から情報が多く与えられるので混乱する。
子育てもいろんな情報で迷うのだけど、まずは自分がしっかり生活し、
その時々で自信をもって子どもを導くことが大切だと思う。