いままでのは何だったのか

どうしたことか、今年は仕事量が非常に多い。
つくった本は去年の倍ぐらいになった。
当然、仕事量も2倍になったはずなのだが、
効率的になったのか、それほどめちゃくちゃ忙しかった感じはない。
たしかに4月ごろは休日に仕事をしたりしたけど、
終電で帰る日が続いたということもなかった。
そう考えると、


いままでのは何だったのか


と思う。
去年までもそれなりに長い時間をかけていた。
でも本当に密度濃く仕事をすれば、その倍の成果が残せるのだ。
限界なんてどんどん伸びるのですよね。


ライターという仕事を始めて4年ぐらいたったころ、
3冊の制作スケジュールがまったく重なったことがあった。
私は書くほうの仕事を主としているのですが、
仕事によっては編集も全部やるときがある。
これが3冊重なると、死ぬ思いをする。
あるとき、とんでもなく時間のかかる作業をやることを上司から宣告され、
思わず、「コレ全部やったら死にますよ」と言ったら、


「死ぬんだよ」


と、しれっとして言われましたからね(笑)
う〜む、とうなったきり、言葉が出ませんでした。
でも、やってみたら、確かに徹夜もしたり、毎日終電で帰ったのですが、
けっこうあっさりできてしまったんです。
それからというもの、
「やってやれないことはない」
が口ぐせになりました。
あの経験は大きかったですね。
「たいがいのことは、できるんだ」と思ったわけですよ。


で、今年はそれを実感しているというわけです。


出版業界の人は、昼に出社して深夜、あるいは朝まで
かけて仕事をするようなイメージがあるかもしれません。
確かにそういう人は多いでしょう。
でも、私のように9時5時じゃないですけど、
定時に来て、休日もほとんど仕事をしない人もいます。
「忙しい」「大変だ」っていうけど、そうでもないですよ。
今年2倍できたのだから、3倍もできると思います。
やってやれないことはないはずです。