人の上に立つ者の心構え

福島県の霞ヶ城にはこんな碑があるという。

 爾 俸 爾 禄  (なんじの俸、なんじの禄は)
 民 膏 民 脂  (民の膏、民の脂なり)
 下 民 易 虐  (下民は虐げ易きも)
 上 天 難 欺  (上天は欺き難し)

お前(武士)がお上から頂く俸禄(給料)は、人民の汗と脂の結晶である。
下々の人民は虐げ易いが、神を欺くことはできない。
ということになる。
つまり、「武士たちは人民を労わり、感謝せよ。その気持ちを忘れて
人民を虐げたりすると、天罰があるだろうということをいっている。
セブン銀行の安斎隆社長は、この言葉を座右の銘にしているという。
そして、実践もしている。
彼は社用車を使わず、電車通勤しているのだそうだ。
あれだけの大企業の社長が電車通勤である。
ちょっと儲かると、外車を買ってみたり、運転手をつけてみたり、
昼に出勤したりするようになる。社員が笑っていればそれでもいいが、
泣いているようなら、いつか天罰が下るだろう。
彼は自分を武士と見立て、人民を社員とみたてて、
この座右の銘を実際の行動にうつしている。
これこそ人の上に立つ人の鑑である。
その逆をしている人がほとんであるというのに、すばらしいことだ。
彼のような社長がもっと増えたら、世の中はもっと明るくなるだろう。