人口減社会はあり?

かの大臣の「産む機械」発言が大変なことになっていますね。
そこで、党内のある議員から擁護論が展開されたわけだけど、
それが「そうきたか!」という感じで興味深い。
その議員さんは「逆に機械を蔑視している」というのです。
機械が軽んじられているから、女性が同等に扱われることに憤る
けれど、機械だって立派だというのです。
なるほどなあと思いました。
そういう考え方もあるかと思いましたね。
その議員さんはロボットとか機械が大好きで、
とても価値のある、人間にとって身近な存在と捉えています。
だから、こうした擁護論が出てくる。
ただ、一般的に「機械」といわれると、
人間に命令された単一のことを、言われたまま繰り返す
というイメージがあるのは確かだと思います。
血の通った温かみがなく、決められたことだけ
淡々とこなすイメージです。
そこが女性の気に障る点なのだと思う。
「女性は子供だけ産んでればいいんだ」
というふうに聞こえたのでしょう。
女性の生き方は、かの大臣の若い頃とはかなり様変わりしていると思う。
フルタイム労働者が多くなり、結婚せず、子どもを産まない人生を
送る人も増えてきた。社会もそういう生き方を認めてきた。
だけど、まだ意識が変わっていない人もいるということなのでしょう。
本当に自由な社会というのは、いろんな人生の選択肢があること。
そうすると、結婚するのもしないのも、子供を産むのも産まないのも
自由ということになる。
ここで問題になるのが、このまま日本が人口減社会になっていいのか
ということです。
三つのパターンがあります。
1.人口増社会
2.人口維持社会
3.人口減社会
時代が変わって、人々の意識も変わったのなら、人口増社会という
大前提も変えなくてはいけないでしょう。
だから、そもそも3を大前提とするのです。
そういうことをいう学者もいますが、少数派のように思います。
なぜなら、今でさえ膨れ上がり続けている社会保障費を
まかなえなくなるからです。
みんなが医療保険に入り、みんなが年金に入っている状況を
維持できなくなります。
けれど、人口減であるなら、それなりの国の設計をすればいいこと。
政府の今の方針は「産めよ増やせよ」で、人口を増やした上で経済を
発展させる、ということだろう。
国土の7割が山地である日本に今の1億2000万人の人口は
適切なのかどうかわからないが、1億を割ると、積極的に
移民を受け入れざるをえなくなるだろう。
そうなると社会は確実に変質する。
覚悟があるなら、「人口減社会もあり」になるはずです。