共感するということ

心の病を患っている人の話をたまに聞く。
うつ病パニック障害神経症心身症などたくさん病名はあるのだが、
何が原因なのか、医学界でも見解が完全にはまとまっていないようです。
心の病を患う人に対して、何か力になれればと思うのですが、
うつ病の本をつくった者としては、
「医者に行き、休養を取ること」としか言えないのです。
「何かほかのことに興味を持っては?」とか、
「もっと前向きな考え方にしなくちゃ」といくら言っても、
それができないから悩んでいるのだから、
相手をさらに苦しませる結果になる可能性があるのです。
唯一できることといったら話を聞くことぐらいでしょうか。
心の病にかかっている人は、他人の意見を聞き入れにくいのですが、
他人の意見に少しでも耳を傾け、頭ごなしに否定するのではなく、
「そうかもしれないな」とちょっとは思ってほしいのです。
そして、つくづく感じるのは、
さまざまなものに興味を持ち、
いろいろな人の、いろいろな人生から、
さまざまな視点を学ぶ
ことが大切だということです。
本や映画で、さまざまな人の、いろいろな考え方を学ぶのです。
人の人生と比べるのではなく、人の人生を知って共感することが大事。
そのことが、「自分はひとりではないのだ」と気づかせて
くれることにつながります。
私たちは自分が思っているほど孤独ではありません。
そう思うだけで、心がふっとラクになる気がするのです。