「パパ、ママ、おとうと」

ある夫婦の話。
その夫婦にはやっとしゃべり始めた子どもがいる。
男の子だ。
母親は第二子をおなかに宿している。
そこで、母親は長男に聞いてみた。
「どっちが生まれると思う?」
弟か、妹かということだ。
すると、「パパ、ママ、おとうと」と言うのだという。
驚いたことに、長男はしゃべりはじめたばかりで、
「パパ」「ママ」は話すことができても、「弟」という
単語は知らないのだという。
彼にはわかっているのか!?
で、母親はこんな話を本で読んだ。
子どもは親を選べないというけれど、本当は自分が生まれる前に、
親を選ぶ長い列に並ぶのだという。
死んだとき、三途の川を前にして長い列に並ぶように。
そして、順番がくると親を選び、この世に生まれてくるのだという。
3歳までは自分がお腹にいたときのことや
生まれ出てくるときのことを覚えているとよく言う。
しかし、親を選ぶというのは初めて聞いた。
これは、よくある「だから親を大事に」という訓話ではない。
「3歳までの子どもが話した不思議な話」を集めた本に
そうしたことが書かれてあるというのだ。
ともかく、彼のきょうだいは弟なのか、妹なのかが
とても気になるところなので、生まれたらどっちだったか
教えてもらおうと思っている。